■当審
■控訴
■反論
反論(補足) アA及びBから被控訴人への本件著作権の譲渡の有無について 本件譲渡契約3は,以下のとおり,有効に成立した。
(ア) ?本件譲渡契約3は,本件ライセンス契約の延長線上に位置するも のであって,同ライセンス契約において既にライセンス料の支払を約束 していること,?本件譲渡契約3が対象とする著作権は,ケネス・ハワ ードの全著作権のうちの一つにすぎないこと,?控訴人とDとの訴訟(東 京地方裁判所平成18年(ワ)第5004号事件)で問題となった日本 における商標権は控訴人が有していることなどの事情から,本件譲渡契 約3の対象である「Flying Eyeball」標章を用いた商品 - 12 - は商品化されておらす,また,「Von Dutch」ブランドの商品に ついての日本における商品化は困難であって,本件ライセンス契約に基 づくライセンス料を払うことができる状況にない。
したがって,本件譲 渡契約3について,明示的な代金の金額,支払時期等の約定がないとし ても,不自然ではない。
また,本件譲渡契約3は著作権の譲渡に関するものであるところ,著 作権に関する登録申請には譲渡証明書(代金額や支払時期は記載要件で はない。
)を添付すればよく,本件譲渡証明書はこれに該当する。
(イ) Bの証言録取書(甲38)及びAの証言録取書(甲39)における 同人らの供述中,控訴人の指摘に係る部分は,以下のとおり,その内容 に変遷があり,また,同一の事件のために作成されたAの陳述書(甲2 9)及びBの陳述書(甲30)の記載と異なるなど,いずれも信用性が 低い。
a Bの証言録取書(甲38)によれば,Bは,「上野商会に権利を売る 時の話に戻りましょう。
」という問いに対し,「私は権利を売っていま せん。
」と供述し(26頁),また,「2005年(判決注,平成17年) 1月に,フォン・ダッチに関して誰かに許諾しなければならなかった 権利とは,どんな権利だと理解していましたか?」との問いに対し,「上 野との違反された契約に関しては,私は権利を持っています。
」と供述 している(29頁)。
ところが,Bは,「2005年(判決注,平成1 7年)6月に,あなたは,フォン・ダッチの著作権やアートワーク, 名称に関する何らかの権利,権原,又は権益を所有していたと思いま すか?」との問いに対し,いったん「いいえ」と回答している(31 頁)。
この回答は,Aの陳述書(甲29)及びBの陳述書(甲30)に 記載された事実とは異なるものである。
そして,再度の質問に対し, Bは,「私は,代理人なしに,それをうまく答えることができません。
」 - 13 - と回答している(31頁)。
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b Aの証言録取書(甲39)には,平成17年1月に書類に署名した こと,同書類がお金を取り戻すことに関係していること,被控訴人は 知らないこと,権利譲渡書に署名したこと以外には,積極的な供述が ない。
しかし,上記供述は,Aの陳述書(甲29)に,Aが,被控訴人の 弁護士が準備したグローバル・マスター・ライセンスに署名したこ と,平成17年7月に上野商会との間で署名した以前の契約に関する 係争についてのAの権利を被控訴人に付与する書類に署名したことが 記載されている点と明らかに矛盾する。
なお,Bの陳述書(甲30) にも,Bが被控訴人の弁護士が準備したグローバル・マスター・ライ センスに署名したこと,この件に関して自分の持っている「フォンダ ッチ」の権利が何であろうと係争の対象になることを被控訴人の弁護 士に伝えたこと,平成17年7月に被控訴人にBが上野商会との係争 に関して持っている権利をすべて被控訴人が取得したいとの意向であ ったのでその権利を付与する文書に署名したことが記載されている。
c 以上のとおり,Bの証言録取書(甲38)及びAの証言録取書(甲 39)における供述の信用性は低い。
これは,上記証言録取書が,本 件とは異なり,本件譲渡契約1の成否を主な争点とする事件(アメリ カの裁判所において,控訴人を原告とし,C,A及びBを被告とする 事件)におけるものであるため,本件譲渡契約3について積極的な供 述をする必要が乏しいからである。
イ本件譲渡契約3は,A及びBが被控訴人に対し,本件譲渡契約1における 売主の地位を譲渡することを前提とするものであるか否かについて 前記アのとおり,本件譲渡契約3は,本件ライセンス契約の延長線上の契 約として締結されたものであるが,著作権の譲渡登録に関するものであって, - 14 - 同登録に必要な譲渡証明書には代金の額や支払時期等を記載する必要はな い。
A及びBが,被控訴人と本件ライセンス契約や本件譲渡契約3を締結した のは,控訴人と裁判しても金銭的な満足が得られないからであり,訴訟信託 をしたのは,上野商会との訴訟の費用が捻出できなかったからであって,何 ら両者に矛盾はない。
ウ本件譲渡契約3が虚偽表示又は訴訟信託により無効であるか否かについて 本件譲渡契約3は,原審で主張したように虚偽表示ではなく,また,以下 のとおり,訴訟信託には当たらない。
A及びBは,平成17年7月,上野商会との本件譲渡契約1に関する係争 についての権利を被控訴人に付与する書類に署名している(甲29,30) が,この訴訟信託はアメリカでの裁判に関するものである。
一方,本件譲渡 契約3は,日本における著作権の譲渡登録に関するものである。
このように, 本件譲渡契約3とアメリカでの訴訟信託とは,両者は別の問題である。
エ被控訴人が背信的悪意者であるか否かについて A及びBから被控訴人への本件譲渡契約1における売主の地位の承継に関 する控訴人の主張が成り立たないことは,前記イのとおりである。
また,控訴人が指摘する神戸地裁昭和48年12月19日判決は,夫から 妻に対する譲渡の場合であり,本件とは事案を異にする。
さらに,前記ア(ア)のとおり,?本件譲渡契約3は,本件ライセンス契約 (乙1)の延長線上の契約であるところ,同ライセンス契約では,AとBに 合計5%のロイヤルティーの支払を約定しており(第4条),この支払は決し て低廉とはいえないこと,?本件譲渡契約3が対象とする著作権はケネス・ ハワードの全著作権のうちの一つにすぎないこと,?控訴人とDとの訴訟で 問題となった日本における商標権は控訴人が有していることなどの事情か ら,本件譲渡契約3の対象である「Flying Eyeball」標章を - 15 - 用いた商品は商品化されておらず,また,「Von Dutch」ブランドの 商品についての日本における商品化は困難であって,本件ライセンス契約に 基づくライセンス料を払うことができる状況にないことなど,本件譲渡契約 3について,巨額の譲渡代金を約定することができなかった事情が存在する。
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